日本赤十字社 大分県赤十字病院

大分赤十字病院は、患者に、職員に、地域医療機関に選ばれる病院を目指しています。

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腎・泌尿器外科

 当科は、専門性の高い手術治療を中心に診療を行っていますが、特に、尿路内視鏡手術、腹腔鏡手術、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)などの最小侵襲手術と、急増している前立腺癌の診断治療に力をいれています。

医療機関の認定

日本泌尿器科学会専門医基幹教育施設
日本透析医学会専門医教育認定施設
泌尿器科腹腔鏡技術認定研修施設

現状及び特色

 2020 年は今川全晴(部長、日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医、泌尿器科腹腔鏡技術認定医、がん治療認定医)、岩崎和範(日本泌尿器科学会専門医)、3 月まで石川天洋、1 月から 4 月まで戸高雅弘、5 月より村上幹の常勤医師で診療にあたりました。部長以外は大分大学腎臓外科・泌尿器科学教室からのローテーションです。

 当科は、尿路・男性生殖器および副甲状腺、副腎などの内分泌臓器まで、泌尿器科領域を幅広く、専門性の高い手術治療中心の急性期医療を主体に診療を行っています。具体的には①尿路性器癌(腎、尿管、膀胱、前立腺、精巣、陰茎など)、②尿路結石症、③老年期の排尿障害(前立腺肥大症、尿失禁、過活動膀胱など)、④副腎や副甲状腺の内分泌外科、⑤透析療法などです。特に①、②の診断および治療が中心で、できるだけ患者さんの体に負担のかからない低侵襲治療(腹腔鏡、内視鏡手術)を心がけています。

 腹腔鏡手術は、副腎や腎、尿管などに対して第一選択として積極的に行っています。近年、早期の腎細胞癌発見が増えており、また、慢性腎臓病(CKD)が注目されており、腎機能温存のため、小径腎細胞癌に対して腹腔鏡下腎部分切除術を積極的に行っています。

 尿路結石治療に対しては、これまで体外衝撃波尿路結石破砕術(ESWL)を第一選択としてきましたが、近年の治療主体はレーザーによる内視鏡的尿路結石砕石術(経皮的、経尿道的)に変遷し、なるべく1回の治療で完結するようにしています。また最近はサンゴ状腎結石など治療困難な結石症例にもチャレンジしています。この尿路結石治療は、県内トップレベルにあると自負しています。

 転移性腎細胞癌には、分子標的薬治療、免疫チェックポイント阻害剤を、転移性尿路上皮癌には化学療法、免疫チェックポイント阻害剤を、積極的に導入し、満足のいく効果が得られています。

 前立腺癌には、早期は根治的前立腺摘除術を行い、去勢抵抗性前立腺癌は新規ホルモン剤、抗癌剤、RI 治療(Ra223)を行っています。最近のトピックスは副作用軽減のため、放射線科と協力し、ハイドロゲル注入後の根治的放射線療法(IMRT)を開始し、また今後、遺伝子変異検査陽性の患者さんには、個別化医療を行っていきます。

診療担当表

医師紹介

今川 全晴 いまがわ まさはる

腎・泌尿器外科部長

専門分野
泌尿器科
内視鏡手術
腹腔鏡手術
腎不全(透析、CAPD、腎移植)
内分泌外科(副腎、副甲状腺)
専門医・認定医
日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本透析学会専門医・指導医
泌尿器腹腔鏡技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医(泌尿器腹腔鏡)
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本泌尿器科学会西日本支部評議員
大分大学医学部臨床教授

藤浪 弘行 ふじなみ ひろゆき

腎・泌尿器外科副部長

専門分野
腎・泌尿器外科
専門医・認定医
医学博士
日本泌尿器科学会専門医

村上 幹 むらかみ かん

腎・泌尿器外科医師

専門分野
泌尿器科
専門医・認定医

実績

 2020年の手術室での手術件数(生検を含む、ESWLを除く)は 456 件であり、2019年より32 件増えています。麻酔法別では全身麻酔 124 件、腰椎麻酔 161件、硬膜外麻酔 88 件、局所麻酔その他 83 件でした。手術別では尿路内視鏡手術が計 299 件で、このうち尿管ステント留置術が 99 件と最も多く、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)が 73 件、経尿道的尿管砕石術(TUL)が44 件でした。腹腔鏡手術は計 43 件で、うち腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術が 36 件でほとんどを占めており、体外衝撃波尿路結石破砕術(ESWL)は新患 36 件でした。悪性手術件数は136 件で、このうち腎細胞癌 23 件で、腎盂尿管癌15 件、膀胱癌 86 件、前立腺癌11件などでした。

 詳細は別表のとおりです。

 

●【手術統計(手術室利用)

麻酔法別(前年比)

全身麻酔 124件(+18)
腰椎麻酔 161件( ー6)
仙骨硬膜外麻酔 88件(+12)
局所麻酔・無麻酔 83件 (+8)
合計 456件(+32)


●【手術統計(悪性)】
(体腔鏡手術)

腎細胞癌 根治的腎摘術 18例(16例)
腎部分切除術 5例(1例)
23例
腎肉腫 根治的腎摘術 1例(1例)
  1例(1例)
腎盂尿管癌 腎尿管全摘術 14例(14例)
尿管部分切除、新吻合術 1例
15例(14例)
膀胱癌 内訳 TUR 73例
膀胱全摘術 6例
回腸導管 4例
尿管皮膚瘻 3例
86例
前立腺癌 RRP 11例
合計 136例(前年比-6例)


●手術統計(良性)

副甲状腺 原発性 2例
続発性 1例
3例
尿路結石症 ESWL 36例
PNL 3例
TUL 44例
経尿道的膀胱砕石術 7例
90例
良性腎疾患 水腎症 2例
AML 1例
ACDK 1例
馬蹄腎等 3例
7例
前立腺肥大症(TUR-P) 16例
除睾術 21例
精巣外傷 1例
陰嚢水腫 2例
精巣捻転 1例
尿膜管 2例

 

●手術統計(処置、検査、その他)

経皮的腎瘻術 5例
経尿道的尿管ステント留置術 99例
経尿道的尿管ステント抜去術 38例
経尿道的膀胱電気凝固術 8例
膀胱内凝血塊除去術 13例
尿道狭窄内視鏡手術 9例
経尿道的膀胱水圧拡張術 2例
包茎 1例
膀胱周囲リンパ嚢腫切開術 1例
膀胱周囲リンパ嚢腫切開術 118 例(うち陽性 80 例 68%)
前立腺スペーサー注入 4例
ESWL 36 例(延べ108 回)

 

●体腔鏡手術疾患の内訳

腎癌 21例
腎部分切除術 5例
腎肉腫 1例
腎盂尿管癌 14例
良性腎尿管疾患 7例
腎摘術 4例
腎部分切除術 1例
腎盂形成術 2例
合計 43例