日本赤十字社 大分県赤十字病院

大分赤十字病院は、患者に、職員に、地域医療機関に選ばれる病院を目指しています。

肝胆膵内科

医療機関の認定

日本消化器病学会認定施設
日本肝臓学会認定施設
日本胆道学会認定指導施設
日本膵臓学会認定指導施設
日本糖尿病学会指導施設

現状及び特色

 肝胆膵内科は外科・放射線科と連携し、肝胆膵領域を担当しています。肝疾患に関しては成田が主に対応し、胆膵領域は本村医師が中心に診療にあたっています。

 C型慢性肝疾患の治療は、ここ数年で飛躍的な進歩を遂げています。2014年よりインターフェロンを投与しない、内服のみでの治療も保険収載され、当院でも今までに160名以上の患者さんに使用しております。非代償性肝硬変症例であっても、治療の適応となり現在までに5例治療を行っております(いずれもChild-Pugh分類12点以下)。治療効果も非常に高く、複数回治療した患者さんもいますが、治療を完遂できた方は100%ウイルスが排除されております。

 生活習慣に伴った脂肪性肝疾患に関しても当科は力を入れており、腹部超音波検査を用いた肝硬度測定により、肝発癌リスクの正確な評価を行っています。

 肝細胞癌の治療において、経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)は、小さい腫瘍であれば、手術療法に匹敵する治療法であり、胸水法、腹水法、CTアシストなど様々な手法で積極的にRFAを行っております。また、切除不能肝細胞癌に対しては、高い奏効率が期待できる2020年に保険収載されたテセントリ+クアバスチン併用療法も積極的に行っております。2022年度は11名の方が、治療を開始しております。治療法の決定には、内科治療に固執することなく、外科・放射線科との合同カンファレンスにて協議し、個々の患者さんに対し最適な治療法の提案を心がけています。

 胆膵領域の診療に関しては、胆管結石、閉塞性黄疸、胆膵領域の腫瘍性病変を中心に、様々な病態に対して、内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)や超音波内視鏡(EUS)を駆使して診断治療にあたっています。術後再建腸管症例に対しては最新の胆膵処置用小腸内視鏡(DBE、EI-580BT、鉗子口3.2mm)を用いて診療を行っています。EUS関連手技では、EUSを用いた画像診断、EUS-FNAによる病理診断、膵液瘻や膵炎後仮性嚢胞感染に対するEUSドレナージなどを行っています。

 胆膵系の処置は特殊な技術を要し、重大な合併症のリスクがありますが、熱意をもって、また、緊急の依頼にも対処できる様、日々準備しております。小腸内視鏡、胆道鏡、超音波内視鏡を用いた手技や検査がますます広がってきており、胆膵系の特殊検査の重要性が高まっています。

診療担当表

医師紹介

成田 竜一 なりた りょういち

第一肝胆膵内科部長

専門分野
肝臓・胆道・代謝
専門医・認定医
日本内科学会認定医・総合内科専門医
日本消化器病学会消化器専門医・指導医
日本消化器病学会九州支部評議委員
日本肝臓学会肝臓専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会認定専門医
日本糖尿病学会認定専門医・指導医

本村 充輝 もとむら みつてる

第二肝胆膵内科部長

専門分野
消化器内科(特に胆膵)
専門医・認定医
日本内科学会認定医・総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本胆道学会認定指導医
日本膵臓学会認定指導医
大分大学医学部臨床准教授
大分県医師臨床研修指導医講習会修了
TNT受講(NST資格)

蒔田 貴大 まきた たかひろ

肝胆膵内科医師

専門分野
消化器内科
専門医・認定医

南部 生妃 なんぶ うき

肝胆膵内科医師

専門分野
消化器内科
専門医・認定医

診療実績

肝悪性腫瘍に対する経皮的ラジオ波焼灼療法:3件
肝針生検:7件
肝細胞癌動注療法:12件
切除不能肝細胞癌に対するテセントリク+アバスチン併用療法:11人
C型慢性肝炎に対するインターフェロンフリー内服治療:6例
ERCP:435件
(術後再建腸管に対するDB-ERCP 34件)
超音波内視鏡:515件
(EUS-FNA 38件)

 

【講演】

第113回日本消化器内視鏡学会九州支部例会(2022年6月24日、25日佐賀市)
「小腸内視鏡のオーバーチューブを利用して胃内の異物を除去した2例」
演者:下森雄太

第113回日本消化器内視鏡学会九州支部例会(2022年6月24日、25日 佐賀市)
「D-ARMSのカバーを監視で完全に除去し、金属ステントを追加留置した1例」
演者:照山直樹

第114回日本消化器内視鏡学会九州支部例会(2022年12月2日、3日 熊本市)
「胆道鏡下のスパイバスケットによる採石が有用であった胆管狭窄合併胆管結石の1例」
演者:照山直樹

第1回LC&HCC治療戦略セミナー(2022年5月18日 大分市)
一般公演
「当科における肝細胞癌BCLC-Cの治療戦略」
演者:成田竜一

テセントリク/アバスチン-肝細胞癌-
適正使用カンファレンス      (Web Seminar)(2022年7月8日 大分市)
一般演題
「アテゾリズマブ+ベバシズマブ-安全性マネージメント-について」
演者・パネリスト:成田竜一

第3回HCCカンファレンスin大分(Web Seminar)(2022年8月31日 大分市)
一般演題
「根治を目指したこれからの肝細胞癌治療戦略
~あらゆるStageでLEN + TACE療法を使いこなす~」
一般演題・ディスカスタント:成田竜一

肝細胞癌最新治療情報セミナー(Web Seminar)(2022年9月14日 大分市)
特別講演Ⅱ
「切除不能肝細胞癌 最新の治療について」
演者:成田竜一

大分県肝炎医療コーディネーター養成研修会
研修5「アルコール性肝障害・脂肪肝」(2022年9月24日 大分市) 
演者:成田竜一

Kitakyushu Liver Next Generation Seminar (Web Seminar)(2022年9月28日)
特別講演
「肝細胞癌治療歴のある症例でのDAA治療経験(DAA治療後の肝発癌も含め)」
演者:成田竜一

Kitakyushu Liver Next Generation Seminar (Web Seminar)(2022年9月28日)
一般演題
「C型肝炎SVR後に肝細胞癌を発症し、持続動注療法を導入した1例」
演者:坂東昌哉

第1回大分胆膵DICフォーラム(2022年6月14日)
「DIC合併胆道感染症の1例」
演者:照山直樹、下森雄太

 

【司会・座長・パネリスト】

第1回大分胆膵DICフォーラム(2022年6月14日 大分市)
パネリスト:本村光輝

Cabozantinib HCC Forum in Oita(Web Seminar)(2022年11月15日 大分市)
Lecture 1
「肝細胞癌に対するカボザンチニブ初期使用経験」
座長:成田竜一

大分 肝細胞癌irAEマネージメント チーム医療ワークショップ(Web Seminar)(2022年11月19日 大分市)
Lecture 1
「当科におけるアテゾリズマブ・ベバシズマブ治療~現状と副作用マネジメント~」
座長:成田竜一