日本赤十字社 大分県赤十字病院

大分赤十字病院は、患者に、職員に、地域医療機関に選ばれる病院を目指しています。

tel:097-532-6181

整形外科

 当科での診療の基本姿勢は、全身の関節疾患、くび・こしなどの脊椎疾患など運動器全般にわたり、正しい診断と、患者の皆さんのひとりひとりに応じた適切な治療を提供することです。また、手術治療でお悩みの方には、セカンドオピニオンの励行に努めております。

医療機関の認定

日本整形外科学会認定医療制度研修施設
日本リハビリテーション医学会研修施設

現状及び特色

 平成28年度は、整形外科医7名(日本整形外科学会専門医4名、日本リウマチ学会専門医1名・指導医1名、日本リハビリテーション医学会専門医・指導医1名、日本脊椎脊髄学会脊椎脊髄外科指導医1名、日整会認定脊椎脊髄病医2名、日整会認定スポーツ医1名、日整会認定リウマチ医 2名)の体制で診療を行いました。

 スタッフは、常勤スタッフ5名(河村、今澤、佐々木、麻生、橋口)とローテーションメンバー2名(石原、多治見)で対応しました。12月より、短期ローテーション1名(市ヶ谷)が加わりました。

 診療は手術治療を主とした急性期医療が中心で、また、毎日オンコール体制で、救急患者に対応しています。取り扱う内容は、骨折・靱帯損傷などの急性外傷、及び、関節外科、脊椎外科、肩・肘・手の外科、末梢神経障害、マイクロサージャリー、スポーツ障害、良性腫瘍など整形外科全般に及んでいます。

 

●手術治療の近況

 平成28年度の手術件数は、手術室利用の件数は、約450件でした。

 関節外科症例の内訳は、関節リウマチ関連の関節症が多く、次に変形性関節症、感染性関節炎の順です。リウマチ関連関節症では、多関節変形破壊の症例が多く、最近は、手・足の再建手術の需要が増えています。肘関節、手指関節の人工関節手術も増えており、その中期成績は安定した結果で、術後QOLの向上が得られています。下肢人工関節の手術では、股関節・膝関節の人工関節手術の長期成績は安定し良好な結果が得られています。

 足部の変形に対する手術では、骨・関節温存の関節形成術を行っており、増加傾向です。骨折・脱臼、肩腱板損傷、膝靱帯損傷などの外傷に対しても、症例ごとに最適な治療法を選択し、早期のリハビリテーションを併用し、良好な治療成績をおさめています。

 脊椎外科においては、正確な診断と厳密な手術適応のもとに、脊椎インスト手術(固定術や制動術)や腰椎椎間板ヘルニアに対して内視鏡を用いた最小侵襲手術を行っています。近年、患者の高齢化に伴い、全身合併症のため全身麻酔や長時間の手術が実施できない症例も増えています。そのような症例に対し、腰部脊柱管狭窄症では、局所麻酔で行う間接的除圧術を取り入れており、その短期成績は良好です。

 また、増加傾向の骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折に対し、低侵襲であるBalloon Kyphoplasty を取り入れ、短時間の手術で早期に痛みの軽減が得られ、QOL向上に役立っています。

 リウマチ治療に導入された生物学的製剤使用症例の手術治療も年々増加傾向です。術前・術後の厳重な管理のもと合併症もなく安全で良好な結果を得ています。

診療担当表

河村 誠一 ローテーション 今澤 良精 今澤 良精 ローテーション
佐々木 伸一 佐々木 伸一 麻生 龍磨
麻生 龍磨 瀬戸山 優 橋口 智光
橋口 智光 伊東 良広 伊東 良広
手術日等
月~金曜日

医師紹介

河村 誠一 かわむら せいいち

整形外科部長

専門分野
関節外科、上肢の外科、リウマチ外科、外傷
専門医・認定医
日本整形外科学会専門医
日本リハビリテーション医学会専門医・指導医
日本リウマチ学会専門医・指導医
日本リウマチ学会評議委員
九州リウマチ学会運営委員
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本リウマチ財団登録医

今澤 良精 いまさわ よしあき

リハビリテーション科部長 兼 整形外科副部長

専門分野
脊椎外科、外傷
専門医・認定医
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会脊椎脊髄病専門医
日本脊椎脊髄学会脊椎脊髄外科指導医

佐々木 伸一 ささき しんいち

整形外科医師

専門分野
関節外科、外傷
専門医・認定医
日本整形外科学会専門医

麻生 龍磨 あそう りゅうま

整形外科医師

専門分野
脊椎外科、外傷
専門医・認定医
日本整形外科学会専門医

橋口 智光 はしぐち ともみつ

整形外科医師

専門分野
外傷、整形外科一般
専門医・認定医
日本整形外科学会専門医

伊東 良広 いとう よしひろ

整形外科医師

専門分野
整形外科一般
専門医・認定医

瀬戸山 優 せとやま ゆう

整形外科医師

専門分野
専門医・認定医

実績

 平成28年度の手術については、手術室利用の手術は450件でした(入院症例430件、外来手術20件)。症例内訳は、慢性の変性疾患が52%、急性外傷関連が48%の比率で、例年とあまり変化ありませんでした。

 手術内容は、人工関節手術68件(上肢14件、下肢54件)、関節形成術25件(上肢15件、下肢10件)でした。脊椎手術は65件で、そのうちインスト使用手術が30件でした。四肢外傷関連では高齢者の大腿骨頚部骨折と大腿骨転子部骨折は60件であり、四肢外傷全体の約30%を占めていました。

 リウマチ関連手術(外傷は除く)は、62件で増加しています。そのうち、生物学的製剤使用症例の手術件数が40%を占め、他施設に比べ、その数が増加傾向であることが、当科のリウマチ手術治療の特徴であり、術後感染予防、周術期管理に細心の注意を払うことが要求されています。

 当科では、下肢変形の手術のみでなく、上肢変形に対する再建手術が多いことも特徴です。大腿骨頚部・転子部骨折は、症例の高齢化、合併症の重症化も伴い、術前・術後の管理が複雑化し、在院日数が長くなっています。地域連携パスを用いた複数の医療機関でのシームレスな治療に取り組んでいます。さらに、この骨折は骨粗鬆症に起因する外傷であり、術後の骨粗鬆症の薬剤療法、転倒予防も含めて、骨折の再発予防に取り組んでいます。

 脊椎関連では、単純な腰部脊柱管狭窄症の神経除圧手術のみでなく、重度の変形を伴うものや、胸椎部、頚椎部の変性・変形を合併した広範囲脊柱管狭窄症を呈した症例の手術が多いのも当科の特徴です。その手術は、神経除圧と変形矯正・固定を伴う難度の高いものとなっています。

 外傷関連では、高エネルギー外傷である骨盤骨折の症例も搬送され、中には血管損傷を伴う不安定型骨折の重症例も少なくありません。放射線科の協力で血管造影・塞栓術を行い、その後、骨盤骨折に対し創外固定を施行しています。また、四肢外傷では上肢の骨折・外傷が多いことが当科の特徴で、特に前腕・手関節周囲の骨折手術が増加傾向です。

 また、複数部位の損傷である多発外傷症例が搬送される場合も増加傾向であり、入院当初からの全身管理、局所管理も含めた外傷管理も行いながら各症例に適した治療を行っています。