日本赤十字社 大分県赤十字病院

大分赤十字病院は、患者に、職員に、地域医療機関に選ばれる病院を目指しています。

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肝胆膵センター

医療機関の認定

日本肝胆膵外科学会高度技能医修練認定施設A(高度技能指導医1名、専門医2名)
日本肝臓学会認定施設(日本肝臓学会専門医3名)
日本内視鏡外科学会技術認定医(肝臓1名)
腹腔鏡下膵切除(膵頭十二指腸切除、膵体尾部切除)、腹腔鏡下系統的肝切除の実施における施設基準取得

現状及び特色

 平成11年11月より大分赤十字病院に肝胆膵センターが設立されて19年が過ぎました。治療が困難な疾患が多い肝胆膵領域の悪性疾患に対し、総合力で対応しようと、内科、外科、放射線科、病理等の関連した専門領域の医師が各科の垣根を越えて診療に協力し質の高い医療を提供して参りました。

 同一疾患であっても各診療科で治療法が異なることの多い分野ですので、新患や再発患者の精査、治療方針の決定を毎週行われる合同カンファレンスで決定し、大分赤十字病院として責任を持って対応していくというポリシーでそれぞれの診療科が協力して診療にあたっています。

 施設認定としては日本肝臓学会認定施設(肝臓学会専門医3人:成田、福澤、岩城)となっていますし、日本肝胆膵外科学会の高度技能医修練認定施設A(指導医:福澤)に認定されています。これは現在全国で121施設、九州で14施設が認定されており大分県内では当院と大学病院のみが認定されています。修練施設での研修後に受験可能である肝胆膵外科学会高度技能専門医試験には当院より三名が合格しています。

 また日本内視鏡外科学会技術認定試験に福澤が肝切除(合格率20%台)で合格しています。実施において施設基準のある腹腔鏡下系統的肝切除にも積極的に取り組んでいます。IR(赤外光)観察可能な鏡視下手術器機も導入しておりより精度の高い肝切除手術が可能となっています。

 肝細胞癌の治療においては特に一つの治療手段に固執しないことがもっとも大切であると考えています。腫瘍の状態や肝の予備力を充分に考慮し、安全性を確保しつつ最も効率の良い治療法を選択し、治療後も適切なフォローアップと再発防止対策(抗ウイルス療法等)の実行が重要です。一方、胆道、膵臓の癌に対しては、手術治療以外に根治を期待できる治療がないのが現状ですので、癌遺残のないR0手術を目指して血管合併切除を含めた、拡大外科手術も積極的に行なっています。

 最も予後の悪い癌の代表である膵癌(以前は5年生存率は10%未満でした)も術後補助化学療法と併用することによりこの15年間の症例では膵癌切除例全体の5年生存率は27%まで改善し、Stage別にはStage3(規約6版)で47%、Stage4aで25%と手術の有効性がありますが、4bでは4%と不良です。

 最近は進行膵癌においては積極的に術前化学療法(NAC)を先行することにより(約20%の症例が対象)、明らかに予後が改善してきています。以前は切除不能と判断されていた腹腔動脈幹合併切除を必要とするような局所進行膵癌に対してもNAC併用により術後5年生存率は28%まで改善しています。

 現在胆道膵臓の内科部門では、本村部長を中心に抜群の技術でERCP、Double balloon ERCP、EST、EUS、POCSなどを駆使して膵胆道疾患の診断と内視鏡治療にあたっています。特にCT等では描出されない小さな膵癌や胆管癌をEUS、EUS-FNAで診断できる事も増えてきていますし肝内結石、総胆管結石等の内視鏡的砕石も多数行っています。

 肝臓内科疾患は成田部長(日本肝臓学会指導医)を中心に診療しており、各種肝炎や早期肝癌の経皮的焼灼療法、抗ウイルス療法等を担当しています。放射線科部門では、高木放射線科部門長を中心にMDCT、MRI、Angio等を駆使した優れた診断と各種IVR治療、放射線治療を行っており、その診断能力の高さと緊急時のIVR対応は当センターには必須な存在です。

 外科部門は、福澤センター長を中心に肝胆膵の悪性腫瘍の外科的切除を高いレベルで実践しています。肝切除や膵切除等の肝胆膵領域の主要手術数は年々増加し、昨年は153例でした。大分県内では1位の手術数であり、肝胆膵癌の切除症例は九州内で5位前後をキープしています。福澤部長の手術執刀数は、肝胆膵領域でのメジャー手術(癌および移植)のみで約1600例を超えました。肝切除および膵切除共にほとんどの症例は無輸血で手術施行されています。

診療担当表

医師紹介

外科部門
副院長・統括外科部長・センター長 福澤 謙吾
第二外科部長 岩城 堅太郎
第一外科副部長 實藤 健作
第二外科副部長 川崎 貴秀
内科部門
第一肝胆膵内科部長 成田 竜一
第二肝胆膵内科部長 本村 充輝
肝胆膵内科医師 米田 晃敏
放射線科部門
放射線科部長 高木 一
放射線科副部長 中山 朋子
放射線科部医師 道津 剛明

実績

 平成11年から昨年までで、肝切除数1081例、膵切除数780例とHigh volume centerとなり1861例となりました。センター開設当初は年間30例前後の手術数でしたが、最近は年間130例以上の肝胆膵悪性腫瘍手術を行っております。

 平成30年の肝胆膵領域における主な診療実績は、外科部門は手術治療が338件でした。放射線科部門はAngio、IVR部門が96件で、内科的診断部門では、ERCP 365件、EUS 290件、EUS/FNA 34件、肝生検16例等で、治療部門では肝癌(原発・転移・肝門部胆管癌を含む)は、肝切除術74例、焼灼療法(RFA)2例、TAE・TAI 63例、リザーバー留置4例、C型ウイルス肝炎に対する経口抗ウイルス療法6例、膵胆道系は膵切除手術79例、胆石手術165例、CTガイド下腹腔神経叢ブロック2件、膵疾患手術は膵頭十二指腸切除(PD)50例(腹腔鏡下PD 7例, HPD 2例)、膵体尾部切除(DP)25例(腹腔動脈幹合併切除2例、腹腔鏡下DP11例)、膵全摘 3例、中央切除1例などでした。特に膵頭十二指腸切除は50例で四年連続して年間40例を超え、ハイボリューム施設とされる年間20例も15年連続でクリアしています。

 施設限定で保険収載されました腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術は、大分県内では現在当院のみが施設基準をクリアしておりこれまでに36症例に施行しています。適応疾患は良性もしくは低悪性度の腫瘍が中心ですが、低侵襲で開腹手術に比べ利点の多い術式と考えており、最近は手技も定型化し手術時間も5時間前後と短縮しています。

 今後共大分の地域医療に貢献できるよう頑張って参りますのでよろしくお願い致します。